Q1.勾留の要件とは?

【解答】

  • (1)逮捕が先行すること
  • (2)逮捕後、法定時間内に勾留請求がされること(刑訴法204条1項・205条・203条)

法定時間内とは

  • 検察官が警察から被疑者を受け取ったときは72時間以内
  • 検察官みずから被疑者を逮捕したときは48時間以内

但し、「やむを得ない事情」でこの制限時間を遵守することができなかったときは、その事由を疎明して勾留請求できる(206条)

  • (3)被疑者が罪を犯したことを疑う「相当な理由」があること

相当な理由とは、罪を犯したことを疑うにたりる充分な理由(210条)の場合よりその程度は低くてよいが、犯罪の嫌疑が一応認められる程度の理由であることを要します(大阪高判昭50・12・2)。

否定例 ・被疑者・目撃者などの関係者の連絡先を知らない
・被害者と示談が成立している
・犯行についての物的証拠、第三者の目撃証言等の客観的証拠あり。
・単独犯であり、同伴者がいない。
・会社、暴力団等による組織犯罪ではなく、組織的背景がない。
・共犯者が先行して逮捕、取調べ、捜索・差押えをうけている。
・先行して捜査がなされ、通常逮捕された。
・すでに捜索・差押えをうけている。
・詳細な自白調書が作成済みである。

 

  • (4)住居不定、罪証隠滅のおそれ、逃亡のおそれのうち、いずれかの理由があること(勾留の理由)(60条、207条)

「罪証隠滅の隠滅すると疑うにたりる相当な理由があるとき」とは、証拠に対する不正な働きかけによって、終局的判断を誤らせたり捜査や公判を紛糾させたりするおそれがあるときという意味です。

罪証隠滅の対象 犯情のみならず、情状に関する事実も含まれる。
罪証隠滅の態様 予想される証拠に対する働きかけの態様を指す。具体的態様は、共犯者との共謀、証人(参考人)との共謀・圧迫、物証の毀棄・隠匿、これらを被告人の属する組織・団体の勢力や団体的統制力を用いて行う場合が想定されます。 もっとも、被告人にも自己に有利な証拠を収集する権利があるため、共犯者と打合せをしたり、証人として予定されている者から聞込みなどしたりすることが予想され、これらをもって直ちに罪証隠滅のおそれがあるとはいえない。もっとも、現実問題としては、被告人自らによる直接的な接触のおそれが強いときは、罪証隠滅のおそれが強いと評価される可能性が高い。
罪証隠滅の余地
(客観的可能性および実効性)
相手の証人尋問がすでに終了しているときは、再度の証人尋問が予想されるような場合を除き、罪証隠滅の実効性は乏しいと考えられます。
罪証隠滅の主観的
可能性
被告人に具体的な罪証隠滅行為に出る意図のあることを指します。被告人の供述態度から判断します。矛盾供述や否認供述をしている場合、主観的可能性が推認されます。黙秘についても、黙秘自体を不利益に取り扱うことは許されないという前提に立つとしても、率直な自白という供述態度が罪証隠滅の意図を否定する根拠になりうることとの対比において、その反射的な不利益が黙秘した者に及ぶことは実際問題として否定できない。

「おそれ」の程度とは、単なる抽象的な危険性ではたりず、確実性までは要求されないが、具体的な資料によって裏付けられた高度の可能性のあることを要します。

「逃亡のおそれ」とは、被告人が刑事訴追や刑の執行を免れる目的で裁判所に対して所在不明になることをいいます。裁判所への不出頭、捜査機関の許への不出頭が所在不明のおそれと結びつくときは、逃亡のおそれが認められます。

被告人の生活状況が
不安定と言う状況
年齢、職業、居所、定職の有無、暴力団員及びその関係者か、といった事情から認定している。
処罰を免れる目的などで身を隠そうとすることを強く窺わせる状況 事案が重大で、非常に重い刑を科されると予想さること、重い処分につながる前科前歴があること、暴力団体組織との結びつきが強く、組織力を利用して身を隠せること、余罪があることなどから認定している。

〈否定例〉

  • 扶養家族・同居家族がいる
  • 身元引受人がいる
  • 定職がある
  • 事案軽微で比較的軽い処分が見込まれる
  • 未成年者で生活は両親に依拠している

勾留の必要性(87条1項参照)

勾留の本来の目的に照らし、被告人の身柄を拘束しなければならない積極的な必要性(公的な利益)と、その拘束によって被告人の蒙る不利益・苦痛や弊害とを比較考量して、前者がきわめて弱い場合や後者が著しく大である場合は、勾留の実質的な必要性が欠ける。最終的な判断は、事案の軽重や勾留の理由の度合い(罪証隠滅や逃亡のおそれの強さ)と相関関係に立つ。

〈否定例〉

  • 扶養家族がいる
  • 定職があり、勾留が続くことで失職するおそれがある
  • 学生である
  • 入学試験がある
  • 病気を患っている

※裁判官は、要件が欠けていれば勾留請求を却下とし、事後的に要件を欠くに至ったときは、請求または職権により勾留を取り消さなければならない(87条)。

※30万円以下の罰金、拘留、科料に当たる事件については、被告人が定まった住居を有しない場合に限り、勾留できる(60条3項)。

※少年の場合は、「やむを得ない場合」でなければ勾留することができない(少48①)。

※国会議員の場合は、会期中その所属議院の許諾がなければ勾留されない(憲法50条、国会法33条以下)。


【参考条文】

刑事訴訟法

第203条 

1 司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。

○2 前項の場合において、被疑者に弁護人の有無を尋ね、弁護人があるときは、弁護人を選任することができる旨は、これを告げることを要しない。

○3 司法警察員は、第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

○4 司法警察員は、第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、引き続き勾留を請求された場合において貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨並びに裁判官に対して弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

○5 第一項の時間の制限内に送致の手続をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

第204条 

1 検察官は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者(前条の規定により送致された被疑者を除く。)を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。但し、その時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。

○2 検察官は、前項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、弁護士、弁護士法人又は弁護士会を指定して弁護人の選任を申し出ることができる旨及びその申出先を教示しなければならない。

○3 検察官は、第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては、被疑者に対し、引き続き勾留を請求された場合において貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨並びに裁判官に対して弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは、あらかじめ、弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。

○4 第一項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

○5 前条第二項の規定は、第一項の場合にこれを準用する。

第205条 

1 検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。

○2 前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。

○3 前二項の時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。

○4 第一項及び第二項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。

第60条 

1 裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。

一 被告人が定まつた住居を有しないとき。

二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。

○2 勾留の期間は、公訴の提起があつた日から二箇月とする。特に継続の必要がある場合においては、具体的にその理由を附した決定で、一箇月ごとにこれを更新することができる。但し、第八十九条第一号、第三号、第四号又は第六号にあたる場合を除いては、更新は、一回に限るものとする。

○3 三十万円(刑法、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和十九年法律第四号)の罪以外の罪については、当分の間、二万円)以下の罰金、拘留又は科料に当たる事件については、被告人が定まつた住居を有しない場合に限り、第一項の規定を適用する。

Q2.弁護人は被疑者のお願いにどこまで応えるべきか?

【外部への連絡】

〈以下のために依頼人の家族や友人等に連絡することはOK〉

  • 身柄解放活動の際の身元引受人の準備
  • 示談金の捻出

 

〈注意点〉

弁護人は守秘義務を負っています(弁護士職務基本規定23条)。依頼人が逮捕事実を隠したいと申し出れば、これに従う必要があります。しかし、外部と連絡する際に、自らが弁護人であることや、逮捕事実を隠すことは不可能なので、仮にそうした事実を隠した上で、外部連絡をしてほしいと頼まれた場合、不可能であると断らなければなりません。

〈 罪証隠滅に関与しないこと〉

依頼人から、自宅などに遺留した重要な証拠の処分を依頼したり、第三者に依頼するように伝えてほしいと頼まれた場合、当該行為は、証拠隠滅罪(刑法104条)に当たる危険性があるため、はっきりと断らなければならない。

第三者に対する伝言の中に罪証隠滅を指示する言葉がある可能性もあるため、そうした場合には、当該第三者との人的関係を尋ねたり、伝言の内容を詳しく聞くなどして、疑いがあるときは、断らなければならない。


【金品等の管理】

〈例〉

  • 自宅にある現金を差し入れてほしい
  • 留置所にあるキャッシュカードを娘に渡してほしい

 

〈注意点〉

自宅に入ると、あとで貴重品がなくなっていたときに、弁護人が盗んだと追究されるおそれがあります。キャッシュカードも横領を疑われるおそれがあります。

〈対応方法〉

  • 依頼人の家族や友人にお願いする
  • どうしても必要がある場合には、委任状を作成した上で、複数人で立ち入り状況の動画撮影を行う
  • 基本的には断る

 


【ペットの餌やり問題】

〈注意点〉

  • いったん引き受けると、ペットが死んだときの責任を負わされるおそれがある
  • 住居の出入りを行うことになり、鍵の管理や貴重品の紛失などでトラブルになるおそれがある
  • 時間的コストが大きすぎる

〈対応方法〉

  • 依頼人の家族や友人にお願いする
  • どうしても必要がある場合には、委任状を作成した上で、複数人で立ち入り状況の動画撮影を行う
  • 基本的には断る

 


【結論】

できること、できないことをはっきりさせよう。刑事弁護は職務範囲では実現できないこともあると割り切るしかない場合もあります。

Q3.同一弁護人が共犯関係にある複数の被告人の弁護をすることはできますか?

【解答】

被告人又は被疑者の利害が相反しないときは、同一の弁護人に数人の弁護をさせることができます(刑訴法規則29条5項)

【 利益相反が判明したときの対応】

両方を辞任または解任するのが普通の刑弁の倫理であるとの意見がありますが、当該内容は十分に確立していません。 実務上は、私選でも「共犯同時受任」「利益相反判明後の1名弁護継続」が少なからず存在しています。

【参考文献】

後藤貞人「共犯弁護と利害対立」季刊刑事弁護22号

日弁連刑事弁護センター「刑事弁護ガイドライン(仮称)Q&A」

刑事訴訟法規則

(国選弁護人の選任)

第二十九条 法の規定に基づいて裁判所又は裁判長が付すべき弁護人は、裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に所属する弁護士の中から裁判長がこれを選任しなければならない。ただし、その管轄区域内に選任すべき事件について弁護人としての活動をすることのできる弁護士がないときその他やむを得ない事情があるときは、これに隣接する他の地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に所属する弁護士その他適当な弁護士の中からこれを選任することができる。

2 前項の規定は、法の規定に基づいて裁判官が弁護人を付する場合について準用する。

3 第一項の規定にかかわらず、控訴裁判所が弁護人を付する場合であつて、控訴審の審理のため特に必要があると認めるときは、裁判長は、原審における弁護人(法の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付したものに限る。)であつた弁護士を弁護人に選任することができる。

4 前項の規定は、上告裁判所が弁護人を付する場合について準用する。

5 被告人又は被疑者の利害が相反しないときは、同一の弁護人に数人の弁護をさせることができる。

Q4.保釈請求の概要を教えてください

【保釈の種類】

1 権利保釈(刑訴法89条)

第89条 保釈の請求があつたときは、次の場合を除いては、これを許さなければならない。
一 被告人が死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
二 被告人が前に死刑又は無期若しくは長期10年を超える懲役若しくは禁錮に当たる罪につき有罪の宣告を受けたことがあるとき。
三 被告人が常習として長期3年以上の懲役又は禁錮に当たる罪を犯したものであるとき。
四 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
五 被告人が、被害者その他事件の審判に必要な知識を有すると認められる者若しくはその親族の身体若しくは財産に害を加え又はこれらの者を畏怖させる行為をすると疑うに足りる相当な理由があるとき。
六 被告人の氏名又は住居が分からないとき。

2 裁量保釈(刑訴法90条)

第90条 裁判所は、保釈された場合に被告人が逃亡し又は罪証を隠滅するおそれの程度のほか、身体の拘束の継続により被告人が受ける健康上、経済上、社会生活上又は防御の準備上の不利益の程度その他の事情を考慮し、適当と認めるときは、職権で保釈を許すことができる。

3 義務的保釈(刑訴法91条)

第91条 勾留による拘禁が不当に長くなつたときは、裁判所は、第88条に規定する者の請求により、又は職権で、決定を以て勾留を取り消し、又は保釈を許さなければならない。

第2 保釈保証金の相場

1 最低で150万円、通常200万円といわれています。

2 ただし、被告人の資力や事案の性質によって、増減します。

第3 保釈請求の方式

保釈請求は、口頭・書面のいずれでも可能とされています(刑訴法規則296条1項)。もっとも、実務上は、書面で行うのが通常です。

第4 保釈請求書の提出先

  • 第1回公判前の場合、令状担当裁判官に提出します。
  • 第1回公判後の場合、公判係に提出します(刑訴法280条、刑訴法規則187条)

第1回公判とは、実務上、冒頭手続き、とくに被告事件に対する陳述(刑訴法291条3項)が終了する段階までを指すと考えられています。

第5 検察官意見書の閲覧・謄写の根拠

保釈請求においては検察官意見書が裁判官に大きな影響を与えます。
検察官意見書は、訴訟記録に編綴されるため、閲覧・謄写をすることができます(刑訴法40条)。

第6 保釈許可決定に対して検察官が準抗告してきた場合の対処方法

準抗告申立書を閲覧・謄写し、反論書面を裁判所に提出する。

第7 保釈保証金の還付

一審で、無罪、執行猶予、実刑判決等の言渡しがあったとき、没取されなかった保釈保証金は還付されます(刑訴規則91条1項、刑訴法343条、345条など)。

第8 裁量保釈の意義

1 裁量保釈は、裁判所が「適当と認めるとき」に職権によって許可されます(刑訴法90条)。

2 要件

裁判所が「適当と認めるとき」とは、実務上、被告人の釈放を相当とする特別の事情がある場合を指すと理解されています。具体的には、

1.事件の軽重
2.事案の性質・内容
3.犯情
4.被告人の性格
5.経歴
6.行状
7.前科・前歴
8.家族関係
9.健康状態
10.審理の状況
11.勾留期間
12.身元引受人の存在
13.身元引受人との関係
14.被告人の職業

などといった諸事情を考慮し、保釈の必要性・相当性がある場合に、釈放を相当とする特別の事情があるものと考えています。

3 ポイント

1 判決に執行猶予が付されることが見込まれるか

実刑が見込まれる場合であっても、実刑期間が長期と思われる場合には、賃貸借契約の解除や会社の業務関係の引き継ぎなどといった、身辺整理のために保釈が必要であることを主張することが有用。

2 保釈の必要性(保釈されないことに伴う不利益)の程度

(1)被告人の防御権に関連する場合

  • 弁護人との打ち合わせの重要性
  • 被告人自身の現場検証の必要性
  • 働いて金員を準備する
  • 親類縁者・知人からの借入れの必要性
  • 被告人自らの謝罪
  • 疾病などの治療の必要性

(2)社会的事情に関連する場合

  • 欠勤により退職を余儀なくされる
  • 被告人の健康状態の悪化
  • 家族の健康状態
  • 介護の要否

3 逃亡の可能性の程度

  • 子どもが幼い
  • 身元引受人との親密な関係性
  • 被告人でなければできない仕事がある

4 その他保釈が相当である事情

身体拘束が裁判所や検察庁の都合から不当に長期間に及んでいる

第9 余罪と保釈との関係性

判例上、余罪の存在を権利保釈の除外事由の存否、あるいは裁量保釈の拒否についての判断の一資料とすることは許される(最三小決昭44/7/14)。罪証隠滅の対象として余罪に関する証拠を挙げることは許されないが、余罪の存在から公訴事実に関する証拠について証拠隠滅の疑いがあると推知することが許されるという意味合いである。

第10 保釈請求の際に提出できる証拠とは

証拠能力が不要であるため、いかなる資料であっても添付できる。

第11 保釈却下決定に対する不服申立手続きとは

  • 第1回公判前では管轄地方裁判所に対する準抗告(刑訴法429条1項2号、280条)
  • 第1回公判後は、高等裁判所に対する抗告(刑訴法419条、420条、裁判所法16条2号)。
  • 準抗告審、抗告審の判断に対する不服申立ては、最高裁判所に対する特別抗告となる(刑訴法433条1項)。

なお、特別抗告について、抗告提起期間が5日間となっている(同条2項)。

第12 再度の保釈請求の実施時期

法律上、再度の保釈請求を制限する規定はない。証拠調べ終了後や、事情の変化があったときに、再度の保釈請求を行うことになる。

第13 再保釈について

一審で保釈されていた被告人が実刑判決を受けた場合、保釈の効力は執行するため、新たな保釈決定がない限り、被告人は判決言渡し直後に法廷から連れ去られて、そのまま収容されます(刑訴法343条、98条)。再保釈の場合、保釈保証金が1.5倍程度に増額されることが多い。

第1審の弁護人と控訴審の弁護人が異なる場合、第一審の弁護人が納付した保証金を充当する旨の申請書が必要である。

再保釈については、権利保釈の規定が適用されない(刑訴法344条)。

実務上、再保釈は、保釈の必要性を重視する裁判官が多い。

Q5.刑事弁護の流れを教えてください。

【解答】以下のような流れになります。

  • 1 被疑者が逮捕された。
    ・弁護人ノート、被疑者ノートの差入れ
    ・黙秘権、署名押印拒否権の説明
    ・被害者との示談交渉
    ・裁判所、検察官に勾留しないことを求める意見書提出
  • 2 被疑者が勾留された。
    ・被害者との示談交渉
    ・誓約書、身元引受書の取得
    ・接見禁止解除
    ・勾留に対する準抗告
    ・検察官に対する不起訴、罰金を求める意見書提出
  • 3 被疑者が起訴された。
    ・刑事記録の閲覧、謄写➡記録の検討
    ・保釈請求
  • 4 被告人の裁判が行われる
    ・弁論要旨作成
    ・裁判所に有利証拠の提出
  • 5 被告人に判決が下る。
    ・控訴申立書提出➡控訴審に移行
    ・再保釈


以上で第一審事件が終結となります。